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XX27年、春。
特別任務執行課の選抜試験に落選した図地藤華は、特異事象対策課の新人として初任地である古海市へと赴任する。
着任後初めての仕事は、ここ一ヶ月程SNS上で話題になっている『百葉箱の幽霊』の調査。
なんでも、「百葉箱の壁の隙間からを復讐したい相手の名前と、その相手にされたことを書いた紙を中へ入れると、復讐を代行してくれる」のだとか。
対策課所属の身分を伏せ古海高等学校へ転入した図地藤華は、「丁度暇そう」な隣席の言葉めぐりへ、あくまで興味本位を装いつつ百葉箱への案内を依頼する――。
異能力者による連続傷害事件。
『地図』とハッタリ。『言霊』と覚悟。
願い事を叶える存在だった幽霊が、何故復讐代行へと性質を転じてしまったのか……?
春風吹きすさぶ古海の地にて、幽霊の謎とそれぞれの願いをめぐる物語が今、幕を開ける。
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※ネタバレ。