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怪盗グレイと [2024/10/22 05:20] – mituitumi | 怪盗グレイと [2024/10/22 07:09] (現在) – mituitumi | ||
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==== あらすじ ==== | ==== あらすじ ==== | ||
+ | === prologue. 怪盗グレイと黄昏の罅 === | ||
――インターネットを介し繋がっていた親友が、「**ありがとう**」と一言残して音信不通になった。\\ | ――インターネットを介し繋がっていた親友が、「**ありがとう**」と一言残して音信不通になった。\\ | ||
+ | たぶん**自殺**するつもりなのだろう。\\ | ||
+ | 悲しかったし、寂しかったけど、わたしが彼女にしてあげられることはしてきた自覚があったから、ただ「もし死後の世界があるのなら、どうか安らかに」と祈るばかりだった。\\ | ||
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- | 彼女の生活環境や精神状態があまりよくないのは知っていたから、恐らく自殺するのだろうと思った。\\ | + | それから2週間程経ったある日、SNSのアカウントに**彼女の妹**によるメッセージが届いた。\\ |
- | せめてきちんとお別れが言いたくて、何度もメッセージを送ったし通話も数回鳴らしたけど、彼女が応じることはなかった。\\ | + | |
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- | 悲しかったし、寂しかったけど、わたしが彼女にしてあげられることはしてきた自覚があったから、やりきれない思いはなかった。\\ | + | |
- | ただ、「**もし死後の世界があるのなら、どうかやすらかに**」と祈るばかりだった。\\ | + | |
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- | それから2週間程経ったある日、SNSのアカウントにフォロー通知が届いた。\\ | + | |
- | 見知らぬアカウントだったのでプロフィールに飛ぶと、女子高生が実名で運用する、所謂リア垢に当たるアカウントだった。\\ | + | |
- | 最新のものから順番に投稿内容を確認していく。\\ | + | |
- | 投稿頻度は日に2つ3つで高くないものの、ざっと遡って記録を総合すると、投稿者の家庭環境や構成要素は朧げに把握できる。\\ | + | |
- | それらの情報に加え、写真に写る風景や、自宅の壁紙、床板、家具等が完全に一致したことから、このアカウントの持ち主は「**彼女の妹**」であると断定された。\\ | + | |
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- | こちらからもフォローを返すと、すぐにDMが届いた。\\ | + | |
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「はじめまして。**鴫原花柚**と申します。\\ | 「はじめまして。**鴫原花柚**と申します。\\ | ||
- | 突然ですが、半月程前、姉である**鴫原柚子**(**みしゅ**さんの相互フォロワーである**幽雅**)が**行方不明**になりました。\\ | + | 突然ですが、半月程前、姉である**鴫原柚子**(**Albireo**さんの相互フォロワーである**幽雅**)が**行方不明**になりました。\\ |
- | みしゅさんは行き先をご存じないでしょうか?」\\ | + | Albireoさんは行き先をご存じないでしょうか?」\\ |
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- | 行方不明?\\ | + | |
- | ゆうちゃんが、あの状態から死ぬことはあっても、行方不明になったりするだろうか?\\ | + | |
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- | 花柚さんから話を聞くに、姉が幽雅というアカウントを使っていることは知っていて、現在地について何かつぶやいている可能性があると思ってはいたものの、幽雅は鍵アカウント、かつフォローはしていなかったので中身が見えず困っていたらしい。\\ | + | |
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- | 2週間前、「ありがとう」というメッセージが届いて以降彼女は音信不通であり、それと時を同じくしてSNSの更新も止まっている旨を伝えると、花柚さんはリアル側のゆうちゃんの身辺について話してくれた。\\ | + | |
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- | 曰く。ある日花柚さんが姉の部屋の前を通りかかると、珍しく扉が開いていた。\\ | + | 曰く。ある日突然姉が消えた。\\ |
- | なんとはなしに中を覗いたところ、部屋には誰もおらず、机に置かれたスマホとパソコンが物理的に壊されていた。\\ | + | 部屋には**遺書**が残されており、筆跡は姉のもの。\\ |
- | どうした事かと思い部屋に入ると、壊された端末の横に、手紙が一通置かれていた。\\ | + | 内容におかしな点はなく、スマホや財布は置き去り。\\ |
- | 中身は**遺書**で、筆跡は確かに姉のもの。内容にもおかしな点はなかった。\\ | + | 玄関に残った靴の種類からサンダルで家を出たことが分かっており、それほど遠くない場所で命を絶ったと思われる状況だった。\\ |
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問題は、**その後鴫原柚子の遺体が見つからないこと**である。\\ | 問題は、**その後鴫原柚子の遺体が見つからないこと**である。\\ | ||
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遺書の中には、「できれば海に散骨してほしい」「お葬式に学校の人は呼ばないでほしい」といった、自身の**弔い方**に関する記述があった。\\ | 遺書の中には、「できれば海に散骨してほしい」「お葬式に学校の人は呼ばないでほしい」といった、自身の**弔い方**に関する記述があった。\\ | ||
遺書を残していて弔われる気もあるのなら、見つからないような場所で死ぬのは違和感がある。\\ | 遺書を残していて弔われる気もあるのなら、見つからないような場所で死ぬのは違和感がある。\\ | ||
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- | 加えて、彼女は財布もスマートフォンも持たず、靴ではなくサンダルで家を出ているそうだ。\\ | ||
- | 周囲、あるいはインターネット上に身を寄せられるような支援者がいれば、迎えに来てもらうこともできるかもしれないが――わたしと花柚さんの知る限り、彼女の周りににそういった人物は居なかった。\\ | ||
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鴫原柚子は未だ「**行方不明者**」として扱われており、行き先の手がかりすら見つかる気配がないのだという。\\ | 鴫原柚子は未だ「**行方不明者**」として扱われており、行き先の手がかりすら見つかる気配がないのだという。\\ | ||
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- | ……力になれそうにないことを花柚さんにお詫びして、メッセージのやり取りは終わった。\\ | + | わからない。\\ |
- | けれど、わたしはずっと気になっていた。\\ | + | |
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- | 死ぬ筈の友達が行方不明になった理由。\\ | + | 死んだ筈の友達が行方不明になった理由。\\ |
彼女がどこに行ってしまったのか。\\ | 彼女がどこに行ってしまったのか。\\ | ||
何より、生きていたとして、死んでいたとして。\\ | 何より、生きていたとして、死んでいたとして。\\ | ||
- | あの子は今、やすらかに在れているのだろうか――\\ | + | あの子は今、安らかに在れているのだろうか――?\\ |
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- | 黒いローブの裾をはためかせ、少年は夜色の瞳をぎらぎらと輝かせていた。\\ | + | わからない、かつ知りたいのなら、知りに行くしか方法はなかった。\\ |
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- | 「土は土に、灰は灰に、塵は塵に。\\ | + | ――「柚子さんの部屋を見せてもらうことはできますか?」。\\ |
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+ | わたしは、わたしの持つ共鳴、『**過去視**』を用いて彼女の足取りを辿り始める。\\ | ||
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+ | ゆうちゃんの部屋から、彼女が向かった先へ。\\ | ||
+ | そこで起きた出来事と、その先へ。\\ | ||
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+ | 見て、追って、辿り着いた場所に居た**少年**は、黒いローブの裾をはためかせ、夜色の瞳をぎらぎらと輝かせていた。\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | 「土は土に、灰は灰に、塵は塵に――\\ | ||
キミも、奪い返しに来たンダロ?\\ | キミも、奪い返しに来たンダロ?\\ | ||
- | 大切な誰かの、とこしえのモノとなるハズだった安寧ヲ――」 \\ | + | 大切な誰かの、とこしえのモノとなるハズだった安寧ヲ。」 \\ |
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行 66: | 行 54: | ||
==== 登場人物 ==== | ==== 登場人物 ==== | ||
== 主人公 == | == 主人公 == | ||
- | [[]]\\ | + | [[白鳥徹]]\\ |
- | [[篠司瑠詩]]([[怪盗グレイ]])\\ | + | [[ルシ]]([[怪盗グレイ]])\\ |
+ | \\ | ||
+ | == その他 == | ||
+ | [[鴫原柚子]]\\ | ||
+ | [[鴫原花柚]]\\ | ||
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